クロスバイクのリアディレイラー(変速装置)の調整

快適な変速実現のためにはリアディレイラー(変速装置)の調整が必要

クロスバイクの変速は、フロントディレイラーリアディレイラーで行います。

クロスバイクを購入した直後は、ショップでしっかりとリアディレイラー調整しているので気持ちよく変速が決まります。

クロスバイクのリアディレイラー(変速装置)の調整

ところがある程度距離を乗ったクロスバイクのリアディレイラーは、馴染みによるケーブル伸びが発生したり転倒や接触などで、リアディレイラーに力を加えてしまうと位置ズレをおこして変速が怪しくなってきます。

変速の不具合を放置しておくと、チェーン落ちによるフレームやホイールへの損傷、後輪がロックして転倒の恐れもあります。

クロスバイクに乗っているときに、変速が上手くいかないと快適なライドを楽しめなくなります。特にロングライドでの変速不良は疲労を増長させる原因になります。

リアディレイラーの調整は、基本を理解すればそれほど難しいものではありません。ぜひ調整法をマスターしてサイクリング先での変速不調発生にも対応できるようになりましょう。

クロスバイクのリアディレイラー調整

※ここではシマノ製10スピードのリアディレイラー調整について解説していますが8、9スピードでも基本的な調整は同じです(本ページで使用している図は(株)シマノ様の取扱説明書から引用しています)。

1.チェーンの長さを調節

クロスバイクのリアディレイラー(変速装置)の調整

基本となるのはチェーンの長さです。

フロントを最大ギア、リアを最小ギアにしたときに、リアホイール(リアギア)中心とテンションプーリー中心を結んだ線が地面と垂直になるようにチェーン長さを調整します。

30Tや32Tのリアギアを使う場合にはチェーンを短くしすぎないように注意しましょう。

チェーン長さは組み付け時に調整するので、ショップで調整されているものならほぼ問題ないですが、自分でチェーンを交換するときのために覚えておきましょう。

 

2.トップギア側の調整

クロスバイクのリアディレイラー(変速装置)の調整

トップギア側の調整から行うので、あらかじめトップギアに変速しておきます。

車体の後方からリアディレイラーを見て、ガイドプーリーの中心が『トップギアの外側の線上』にくるようにトップアジャストボルトを回します。

ポイントはガイドプーリーの中心がトップギアの外側の線上にくるということです。トップギアの中心線上ではありません。

注意点としては、調整ボルトを回すときには一度にグルグルと回さないようにして、1/8~1/4回転ずつ少しずつ回すようにしましょう。

また、調整ボルトを回した方向と量を、その度にメモしておくこともポイントです。

そうしておけば調整範囲を超えてしまったときでも元の状態に戻すことが可能となります。

新たにケーブルを張った場合には、一旦リアディレイラーに固定した後、図のように手で引っ張って初期伸びを取ります。

その後、再度リアディレイラーにケーブルを固定し直します。

 

3.ローギア側の調整

クロスバイクのリアディレイラー(変速装置)の調整

続いてローギアに変速をしたら、ロー側調整に移ります。

こちらはトップ側調整と異なって、ガイドプーリーの中心が『ローギアの中心線上(真下)』にくるようにローアジャストボルトを回して調整します。

 

4.ガイドプーリーの間隔調整

クロスバイクのリアディレイラー(変速装置)の調整

リアディレイラーにはBテンションアジャストボルトが備わっており、ギアとガイドプーリーの間隔を調整できるようになっています。

調整法としては、フロントローギア、リアは最大ギアに変速しておきクランクを逆回しします。

このときにチェーンづまりしない位置までガイドプーリーがギアに近づくようにテンションアジャストボルトを回していきます。

次に、チェーンがリア最小ギアに位置するように変速してチェーンづまりが無いことを確認します。

 

5.リアディレイラー最終調整はケーブルの張り具合を微調整

クロスバイクのリアディレイラー(変速装置)の調整

リアディレイラーの最終調整はケーブルの張りを微調整し、ベストの状態に仕上げていきます。

まずはリアを最小ギアから1段大きいギア(2段目)に変速します(フロントはトップギア)。

そしてシフトレバーを遊び(ガタ)の分だけ押し込んだ状態でクランクを回して次の調整をします。

  • もし3段目に変速した場合には、チェーンが2段目に戻るまで調整ボルトを時計方向(右回し)に1/8~1/4回転ずつ回す。
  • 全く音鳴りがしない場合にはチェーンが3段目に接触して、音鳴りがするまで調整ボルトを反時計方向(左回し)に1/8~1/4回転ずつ回す。

ベストな状態は、シフトレバーを遊び(ガタ)の分だけ操作した状態で、チェーンが3段目に接触しながら音鳴りがしていても、3段目に変速しないのがベストな調整です。この状態になったら各段全てに変速しても音鳴りが無いことを確認しましょう。

サイクリングの途中で変速不調を感じたら、ケーブル張りの微調整でほとんど解決するはずです。ぜひマスターしておきましょう。

また走行中にフレームのアウターアジャストボルトを回すことにより、停車せずにケーブル張りの微調整ができることを知っておきましょう。

 

難しそうなイメージがあるリアディレイラー調整ですが、ポイントを押さえておけばそれほど悩むことなく調整できると思います。調整がずれたリアディレイラーでの走行は不快感を覚えるばかりでなくチェーン落ちなどの可能性があり危険です。常にベストな変速状態でクロスバイクを楽しみましょう。