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安かろう悪かろうの恐怖で危険なのが自爆自転車
自爆自転車が話題になっています。
自爆自転車とは走行中に突然壊れてしまう自転車のことです。
近年はホームセンターやインターネットで、1万円を切るような激安自転車を見かけることがよくあります。それに伴い街中で走っている自転車に対する激安自転車の割合が増加しています。
自爆自転車で事故が起こる原因とは
走行中にフレームが折れたり、タイヤが外れてしまう欠陥自転車のことを自爆自転車とよんでいます。
自転車には自動車のような安全基準がありません。そのため安全性や品質面は製造メーカーや販売会社の良識に任されているのが実情です。
現在では国内メーカー製と謳っているものも含めて、市場に出回っている自転車の9割が輸入品で、その大半は中国製です。
欠陥自転車の原因を見ていくと、製造不良や部品の強度不足、組み付け不良などがあるようです。中には設計そのものがデタラメで壊れて当然な自転車もあったようです。
自爆自転車による事故の怖さ
自爆自転車の怖さは何の前触れもなく、突然フレームが折れたり、タイヤが外れてしまうことです。走行中の自転車のフレームが折れたり、前輪が外れると、ほぼ間違いなく頭から地面に叩きつけられます。
スポーツ自転車なら100%近いヘルメット着用率が、街中を走っている普通の自転車ならほぼゼロです。
ノーヘルで頭から地面に叩きつけられたらどうなるかは想像しなくても分かるはずです。
運良く頭を打たなくても、複雑骨折や脊髄損傷にでもなったら生活が一変してしまいます。
通常、自転車で転ぶときは転ぶことが予見できて、受け身をとりながら転ぶために大けがを負う確率が高くありません。
しかし予期せぬフレーム破損や車輪のロックなどによる転倒では、完全に無防備なまま路面に投げ出されるので重症事故になる確率が高く、とても怖いという特徴があります。
命にかかわる危険な自爆自転車を見抜く方法はあるのか
『BAAマーク』や『TSマーク』といった自転車マークがあります。これは事業者団体により定められた検査に合格した自転車や、自転車安全整備士が点検・整備を行った自転車に貼られるシールです。
これらのマークが貼られている自転車を買うのが安全といわれています。
粗悪品が平然と売られている現在は消費者の目利き力が必要な時代
ここまで自爆自転車のことを書いてきましたが、ロードバイク乗りの観点から見ると腑に落ちない部分がいくつかあります。
まずは中国製自転車=欠陥自転車という認識。
ロードバイクに乗っている人なら分かると思いますが、世界中で流通している自転車の多くが中国・台湾製です。高性能車や高級ブランド車でも製造元は中国・台湾であることは今や常識です。
中国製だから全て悪ではなくて、まじめに作っているメーカーが大半であり、悪者は極一部であるということです。
そして『BAAマーク』や『TSマーク』といった自転車マークがついていれば安全、自転車屋さんで点検・整備すれば安心という風潮。
ロードバイクに乗る人の多くがロードバイクを自分でメンテナンスしています。整備も含めてロードバイクが好きだからという理由もありますが、自転車屋さんの整備に安心できないことがセルフメンテナンスしている理由です。
究極のところで乗りこなすロードバイクは、少しの整備ミスや調整不良があるだけで乗りにくくなったり、トラブルが発生したりします。
すべての自転車屋さんがダメではなくて、とても優れた腕を持つプロショップも多く存在します。しかし「5ミリの振れなら振れ取り合格」とか「変速できればOK」といったレベルの自転車屋さんが点検・整備を行った自転車を、なんの疑いもせずにノーメンテナンスで乗り続けること自体が危険行為です。
物の値段には意味があります。激安自転車にはそれなりのリスクがあることを理解せずに購入して、欠陥自転車と騒ぐのはいかがなものかと、個人的には感じています。
適正価格の自転車を選ぶのはもちろんのこと、的を得た整備をしてくれる自転車屋さんを探してメンテナンス代を惜しまないことが、今の時代の消費者に求められていることだと思います。