この記事の目次
ロードバイクのダンシングが苦手で長続きしないという質問
ダンシングのコツやトレーニング方法があったら教えてください。
サドルに荷重が掛からないダンシングは、ハンドルとペダルの2点で体重を支えるので疲れやすくなります。
シッティングとは違う筋肉を酷使するので、まずはダンシングで使う筋肉を鍛えることが先決です。
ロードバイクのダンシングが苦手で長続きしない
力強い走りができるダンシングだが疲れやすい
ダンシングは体全体を使って走るので、シッティングよりも大きなパワーを出せるといわれています。
しかしエネルギー消費が大きいので疲れやすい走法でもあります。
ダンシングが苦手なロードバイク乗りが多くいますが、様々な場面でダンシングが有効になるので、ぜひマスターしておきたい走法です。
ダンシングとは
ダンシングとは、簡単にいえば立ち漕ぎです。
しかしロードバイクなどのスポーツ自転車の場合、サドルから腰を浮かせた状態でペダルを漕ぐことをダンシングと呼んでいるようです。
ダンシングのことを英語で"Out of the Saddle"といいますが、正にサドルから腰を浮かせた状態ですね。上半身が立っている、立っていないは関係ないということです。
シッティングの3点荷重(ハンドル+サドル+ペダル)から ハンドル+ペダルの2点荷重になった瞬間がダンシングの始まりです。
ダンシングの種類
ダンシングには上半身を使わずに体重を使ってペダルを踏む方法と、上半身の力と体重移動を組み合わせて全身の筋肉をフル稼働させてペダルを踏む方法があります。
上半身を使わずに体重を使って進むダンシングは「休むダンシング」などと呼ばれています。
加速するとき、スプリント勝負やヒルクライムで激坂を上るときは、全身の筋肉をフル稼働させるダンシングが有効です。
ロードバイク初心者はなぜダンシングが苦手なのか
シッティングで走っているときは、ハンドル+サドル+ペダルの3点で体重を支えています。
ダンシングのときはハンドル+ペダルの2点で体重を支えます。
60kgの人がシッティングしているときにハンドル、サドル、ペダルに掛かる荷重は各20kgと考えられます。
しかしダンシングをしているときは、ハンドルとペダルの2点で支えるので、それぞれの荷重が各30kgに跳ね上がります。実際にはこのように体重が均等に分散されることはありませんが仮定の話です。
ダンシングはシッティングよりも高い荷重が腕と脚に掛かるために疲れやすくなるというわけです。
また、ダンシング中は腰が浮いた状態なので、ペダルからの反力を体幹で支えてあげる必要があります。
ダンシングを行うにはシッティングよりも強い腕力と脚力、そして体幹力が必要です。
ロードバイク初心者がダンシングが苦手ですぐに疲れてしまうのは、ダンシングに適した体力や筋力が不足しているためです。
ダンシングが強くなるトレーニング
すぐに疲れてしまうからといってシッティングばかりしていたら、いつまでたってもダンシングが強くなりません。
ダンシングを強くしたいのなら無理やりにでもダンシング回数を増やせば、次第に筋力がついて疲れにくくなっていきます。
しかしフォームやパワー配分を考えずにダンシングを続けていると変な癖がついてしまいます。
ダンシングのコツは体重移動です。しかし重要なのは左右の体重移動ではなくて前後の体重移動です。
左右にバイクを振って体重移動するのは比較的簡単で誰にでもできます。
しかし前後の体重移動がうまくできないと、脚力だけでペダルを踏みぬこうとして疲れやすくなってしまいます。
シッティングのポジションが最適なら、そのまま腰の高さを変えずに前方に移動するだけでダンシングの形になります。腰の高さ位置を変えないのがポイントです。
ダンシングからシッティングに戻るときは腰を後ろに下げるだけです。
腰の高さを変えずに前方に移動する練習を続けていると、次第に重心位置が分かってくるはずです。
前後の重心位置が分かれば、あとはひたすらにダンシング回数を増やすだけです。
慣れるまではケイデンスを上げすぎない
ロードバイクの最適ケイデンスは90などといわれますが、ダンシングに慣れていない状態で90を維持するなんてことは不可能です。
最初は70以下の低ケイデンスで練習しましょう。
ケイデンスが上がれば呼吸が苦しくなってすぐに脚が疲れてしまいます。
シッティングからダンシングに移行するときはギアを上げてケイデンスを抑えてみます。
ゆっくりとしたペースで踏み込むタイミングと引き脚で戻すタイミングを考えながら練習していけば、キレイなペダリングとダンシングで必要な筋力、持久力を手に入れることができます。
上半身を使ってバイクを左右に振りながら高ケイデンスでダンシングするのは、それから先のことです。