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パワートレーニングの基準がFTP
ロードバイクのトレーニングとして注目されているパワートレーニング。
そのパワートレーニングを行う上で基準となるのがFTPです。
パワートレーニングではFTPを定期的に測定して、その値を基準としながらトレーニングメニューを組み立てていきます。
ロードバイクのFTPとは
FTPとは「Functional Threshold Power」の略です。日本語でいえば「実効出力閾値」となるようですが難しいですね。
意味としてはその人が1時間維持できる限界の平均出力(W)となります。
FTPの肝が「1時間維持できる限界の平均出力」です。測定途中でバテてしまってもダメですし、余裕で1時間経過してもダメなのです。
1時間必死でロードバイクを漕いで、ちょうど1時間経過したところで倒れるくらいのパワー配分が重要になります。
FTPはW(ワット)で表しますが、基本的にFTP値が高いほど優れたライダーといえます。
自分のFTP値を知ることで他のライダーとの比較ができたりもします。
パワートレーニングはこのFTP値を上げることが目的です。
FTPはパワーメーターを使って計測する
パワートレーニングを始めるには、まず自分のパワーを知る必要があります。パワーの計測にはパワーメーターを使うのが一般的です。
とても高価で一部のプロやマニアにしか使われていなかったパワーメーターですが、片足測定タイプなどの登場によってホビーライダーでも手が届きやすい価格帯になってきました。
このパワーメーターとパワーを表示するサイクルコンピューターやスマホ、Zwiftなどがあれば自分のパワーやFTPを計測できます。
FTPの計測方法は2種類
FTPの計測方法はいくつか手法がありますが、もっとも多く取り入れられているのが「コーガン方式」です。
コーガン方式は計測時間によって2種類あります。
1時間の全力走行によるFTP計測
もっとも単純でFTPの定義に則した計測方法ですがかなりキツイです。
1時間きっかりで体力を使い果たすのはとても難しくておすすめできません。
20分間の全力走行からFTPを推測する
20分間走った結果からFTPを推測するやり方です。
FTP測定といえばこの20分間走が一般的です。
20分間走FTP計測のメニュー
- 10~15分のウォームアップ
- 5分間の全力走
- 10~15分の休憩走
- 20分間の全力走(FTP計測)
- 10~15分のクールダウン
20分間の全力走の平均パワーに0.95を掛けた値が自分のFTPです。
もし20分間の全力走の平均パワーが300Wだったときは、その95%である285WがFTPとなります。
20分間の全力走の前に5分間の全力走を行う目的は、FTP計測前に無酸素運動を行っておき、計測精度を安定させるためです。
FTPはローラー台で計測する
FTP計測は計測環境を一定にしないと正確なデータが取れません。路上を実走する方法では様々な不確定要素が発生して、安定した計測がなかなかできません。
安定したFTP計測に欠かせないのが固定ローラー台です。室内で行うFTP計測なら風の影響や道路事情に左右されることなく、一定負荷で安定した計測が可能です。
FTPは一度計測したら終わりではありません。
計測データを基にしてトレーニングメニューを組み、定期的にFTP計測をしてトレーニング内容を見直すことが必要です。