ロードバイク乗りの性能・脚質を表すパワーウェイトレシオ

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パワーウェイトレシオはロードバイク乗りの性能・脚質を表す

パワーウェイトレシオで相対的な出力比較が可能になる

ロードバイクのトレーニングの基準となるFTPを測定すると、自分の能力が数値によって可視化されます。

➤➤➤ロードバイクトレーニングのFTPとは

この数値がトレーニングの指標となって、さらに他人との比較ができるようになります。

しかしFTPは体重によって左右します。たとえば同じ200Wでも、体重80kgの人と50kgの人では意味が違ってきます。

パワーウェイトレシオは体重差を排除した相対的な出力比較が可能になる数値です。

ロードバイク乗りの性能・脚質を表すパワーウェイトレシオ

ロードバイクのパワーウェイトレシオとは

パワーウェイトレシオを英語表記すると「Power to Weight Raito」となります。日本語でいうと「出力重量比」です。

自動車やオートバイの世界では一般的に使われている用語です。自転車でもパワーメーターの登場で、一般的に用いられるようになりました。

ロードバイクパワーウェイトレシオは、FTPで計測した出力(W)を体重(kg)で割って求めます。

たとえば「体重60kgでFTP240W」のパワーウェイトレシオは「240W÷60kg=4.0W/kg」となります。

パワーウェイトレシオで何が分かるのか

FTPが高ければパワーがあって速いことに間違いはありませんが、体重差を考えないと正確なパワー比較ができません。

冒頭でお話ししたように、FTPが200Wでも、体重80kgの人と50kgの人では意味合いが異なってきます。

体重80kgの人のパワーウェイトレシオは2.5W/kgで、体重50kgの人のパワーウェイトレシオが4.0W/kgになるからです。

この場合は体重50kgの人のほうが優秀といえます。

パワーウェイトレシオは出力を体重で割った数値です。

そのためこの数値を上げるには、出力を上げるのはもちろんのこと、体重を落としても数値が向上します。

パワーウェイトレシオによる脚質の違い

ロードバイクに乗っている人たちの間では、貧脚や剛脚といった表現を使うことがあります。

アマチュアライダーの脚力を、パワーウェイトレシオ別で分けると以下のような感じになります。

  • 剛脚 5.3~4.6W/kg
  • 優脚 4.7~4.0W/kg
  • 並脚 3.7~3.0W/kg
  • 低脚 3.2~2.4W/kg
  • 貧脚 2.5~1.9W/kg

ちなみにプロ選手の場合は5.0W/kg以上が普通です。アマチュアレベルなら優脚あたりを目標として頑張りたいですね。

パワーウェイトレシオの盲点

ヒルクライムではFTPよりもパワーウェイトレシオの方が重視されます。体重が軽いほうが登りに有利になるからです。

しかしパワーウェイトレシオが高くても、絶対的なFTPが低いと全体のパフォーマンスが低くなってしまいます。

パワーウェイトレシオだけを気にして体重を落としても、筋肉が落ちてしまったら本末転倒です。

たとえ体重が増加したとしても、筋肉が付いてFTPが高くなれば相対的なパワーウェイトレシオも向上します。

パワートレーニングに励むときはパワーウェイトレシオだけに固執せず、FTPを高めることに重点を置いたほうがトータルパフォーマンスが向上するはずです。

 

ヒルクライムのような登りはパワーウェイトレシオの影響を大きく受けてしまいますが、平地や向かい風といった状況ではFTPの絶対値が高いほうが有利です。一般的に体重を落とすとパワーも落ちてしまうので、うまくバランスをとりながらトレーニングしていきたいところです。