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左前ブレーキと右前ブレーキのメリット・デメリット
プロが乗るロードバイクは左前ブレーキ
自転車のブレーキは右レバーが前輪、左レバーが後輪が常識と思っている方が多いようです。
自転車に乗り始めたときからなんの疑いもなく右レバーが前輪、左レバーが後輪で乗ってきましたし、オートバイやスクーターなども右前ブレーキが普通です。
ところがプロ選手が乗るロードバイクのブレーキを見てみると、左レバーが前輪、右レバーが後輪になっています。
左前ブレーキにすることでなにかメリットがあるのでしょうか。
ロードバイクは左前ブレーキを前提とした作りになっている
ロードバイクのワイヤリングを自分で行うと分かりますが、ブレーキ周りのワイヤーは左前、右後ろで無理なく取り回しできる作りになっています。
これを「通常の自転車の常識」である右前、左後ろでワイヤリングすると、ワイヤーの取り回しに無理が生じてブレーキレバーの引きが重くなります。
特に最近主流のエアロフレームやハンドル位置を下げているときは、ワイヤーの取り回しに四苦八苦してしまいます。
ロードバイクを左前ブレーキにするメリットとは
ロードバイクの構造上、左前ブレーキのほうがワイヤーの取り回しがいいことが分かりましたが、ライダーにとってのメリットはあるのでしょうか。
ロードバイクのリア変速は右レバーで行います。
停車するときやコーナー手前の減速時には減速と変速を同時に行いますが、右レバーでブレーキングとリア変速を同時に行うのは結構大変です。
その点、左前ブレーキであれば左手でブレーキング、右手で変速といった感じに操作を分担できます。
またロードバイクのプロ選手がレース中に行う動作を見てみると、そのほとんどを右手で行っています。
ボトルの水を飲んだり、補給食を食べたり、クルーからサコッシュを受け取る動作などをすべて右手で行っています。
その間のブレーキ操作は左手が担当しますが、制動力の高いフロントブレーキを制御するために左前ブレーキになったようです。
ロードバイクは左前ブレーキにしたほうがいいのか
私自身は2年ほど前から左前ブレーキで乗っています。
もともと前後のブレーキを均等に掛けるタイプなので、右前→左前に変更してもまったく違和感がありませんでした。
私の場合、ロードバイク以外の自転車には乗らないし、普段の足としているスクーターも左レバーで前後ブレーキが掛かるコンビブレーキで左手操作だったことも影響しているのかもしれません。
ワイヤリングを始めとするメンテナンスもDIYで行うので、左前ブレーキでも右前ブレーキでも好きなときに変更できる点も大きいようです。
左前ブレーキを万人におすすめできるかといえば、ちょっと疑問です。
右前ブレーキで前輪を強くブレーキングするタイプの方が左前ブレーキでパニックに陥ると、簡単にリアロックさせてしまうので。
前後のブレーキを均等に掛けるタイプで自分でワイヤリングできる方なら、左前ブレーキを試してみてもいいかもしれません。
なお、海外通販でロードバイクを購入するときは、ブレーキの指定をしないと左前ブレーキで組み上げて送ってきます。もし右前ブレーキを望むときは購入時に指定することを忘れないようにしましょう。